「海の女神という言葉は、フッと頭に浮かんできたんです。」

開発者の坂田清佳さん（以下、サヤカさん）は当時を振り返りました。

２０１３年７月に「海藻石鹸」の発売からはじまり、ボディスクラブソープやハンドクリームとラインナップも充実し、現在を迎えている伊勢志摩コスメ 海の女神シリーズ。

ここでご紹介させていただくのは、海の女神シリーズを誕生の物語です。来年で10周年を迎えるロングセラーご当地コスメには、「海女さん」のお話や「珠（たま）」、女性や伊勢志摩に込められた思いなど、開発者のこだわりで溢れていました。

取材ライター：エイチエムプロデュース 濱地雄一朗

ふと聞いた「海女さんと海藻風呂」のお話

サヤカさんの経営する有限会社イヅミ（以下、イヅミ）は、三重県鳥羽市でタオルやアメニティなど業務用品を取り扱う卸会社です。旅館や飲食店を中心に、伊勢志摩の観光業を支える縁の下の力持ちな会社です。

オリジナルアメニティ開発としてホテルや旅館のサポートもされていたサヤカさんは、イヅミとしても何かオリジナル商品を開発したいという思いを抱いたのが２００７年頃。

サヤカ「うちは女性従業員が多いから、女性の何かができたらいいなと思って。」

伊勢志摩らしいお土産って何がいいのだろう？女性のための商品を何か作れないかな・・・そんな考えを巡らせていた時、地元の漁師町のホテルの女将さんから聞いた「海女さんの海藻風呂」の話を思い出します。

女将さん「海女さんは昔な、海藻のお風呂に入って体を温めとったんよ。」

サヤカさんの中でずっと印象に残っていた「女将さんの海女さんの海藻風呂のお話」と「女性のための伊勢志摩らしい商品」がつながったことをきっかけに、「伊勢志摩コスメ 海の女神」の商品開発がはじまりました。

ふっと思い浮かんだ、海の女神（うみのめがみ）という言葉

サヤカさんがなぜ、「海女さんの海藻風呂」をずっと印象に残っていたのか？その理由はサヤカさんにとっての海女さんが、身近でありながら特別な存在だったからです。

サヤカ「海女さんが海の中に潜っていく姿がとても力強くて、小さい頃から同じ女性に見えなかったんです。」

三重県鳥羽市は全国で一番海女さんの多い町。水中に一直線に潜っていく海女さんの姿は、サヤカさんの目にとても神秘的に映っていました。

イヅミのオリジナル商品名がまだ何もなかった時、仲間たちと地元「鳥羽の話」や「海の話」、はたまた「宇宙の話」まで話をされたそうです。

ー海の女神ってどうかな？

そんな時にサヤカさんがふとつぶやいた言葉が「海の女神」でした。「海の女神」の中には「海女（あま）」の文字も入っていて、最初は気づかず驚いたそう。不思議でありながら、何かに導かれているようなエピソードです。

伊勢志摩ご当地コスメ 海の女神 ３つのこだわり

「伊勢志摩コスメ 海の女神」には伊勢志摩らしさで溢れています。パッケージには、鳥羽市の指字アート作家 遠藤美和さんの海女さんや魔除けの印「ドーマン・セーマン」が描かれ、さらに中身には伊勢志摩らしい海の成分が豊富です。

サガラメエキスは、ワカメやコンブと同じ褐藻類 サガラメ（アラメ）から抽出された成分。また、真珠から抽出された真珠エキス（加水分解コンキオリン）やホホバオイル、シアバターなどが海藻石鹸に配合されています。

サヤカ「海のものや女性の肌を想った保湿成分にこだわりました。」

また、海藻石鹸の特徴としてはずせないのが丸い珠（たま）の形。

サヤカ「丸いものって人を惹きつける形だと思ってます。」

東京のお店でつい手にとってしまった卵型の石鹸の記憶が、サヤカさんの頭の中に残っていました。約１５年前（２００５年頃）のエピソードです。

伊勢志摩といえば真珠の産地としても有名です。伊勢志摩コスメ 海の女神「海藻石鹸」が丸い形、珠（たま）に導かれたの偶然のようで必然なのかもしれません。

サヤカ「石鹸の役割って全部洗い流してすっぴんになる、素になってもらうことかなって。」

珠という字には、［たま］と読み方以外に［す］という意味もあります。潤って珠（す）の姿になってもらう、海藻石鹸にはそんなこだわりがたくさん詰まっていました。

伊勢志摩のロングセラーコスメ海の女神シリーズ 制作中です。

そして、構想から約4年以上の歳月を経て、２０１１年７月に発売された伊勢志摩コスメ 海の女神シリーズ第１弾「海藻石鹸」。発売からもうすぐ１０周年を迎え、ロングセラー商品となりました。現在では、体をなめらかに洗い上げる「スクラブボディソープ」、手指を包み込む「ハンドクリーム」とラインナップも充実し、さらに新しい商品開発も進んでいます。

こだわりのつまった伊勢志摩コスメ 海の女神シリーズのこれからに、ますますご注目です。